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新・水滸伝(吉川英治)の書評

吉川英治の新水滸伝

文芸小説  | 注目の電子書籍  |

水滸伝(吉川英治) ■書籍名 新・水滸伝

■評価 ★★★★★ (満点5★)

■著者 吉川英治

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<新・水滸伝(吉川英治)の書評>

時代小説、大衆小説の巨匠として知られる吉川英治の遺作である水滸伝を紹介します。

実は私、時代小説がけっこう好きです。
祖父の趣味もあって、子供の頃から「三国志」や「太平記」なんかをちょっと背伸びして読んでいたんですよね。

時代小説の魅力は重厚な人生観や複雑な勢力争い、派手な合戦絵巻を楽しむことにありますが、
ちょっと目線を変えてみると、乱世の中の恋愛やたくましく生きる女性の姿など、女目線から見てもハマる要素は多いんです。

祖父もファンだった吉川英治。その代表作といえば『宮本武蔵』や『三国志』の名を上げる人も多いかと思います。
でも、今回私はあえて『新・水滸伝』を再読してみました。

水滸伝というとややマイナーなイメージですが、三国志と比べて登場人物たちは一般の人々が中心。ストーリーはわかりやすいし、感情移入もしやすいんですよ。

吉川英治の水滸伝は、中国の原典を翻訳したものに比べ、独自のアレンジが入っています。
難しい漢字にはふりがなが振られ、セリフ回しもちょっと江戸時代風というか、日本人向けの味付けがされていて、これがとっても読やすいんですよね。
軽妙で味があり、まさに声に出して読みたい日本語という感じです。
惜しむらくは、途中で吉川英治が亡くなってしまったため未完に終わっていること。でも、個人的には水滸伝のエッセンスを楽しむには十分かと思います。

「水滸伝は三国志に比べてよく分からないし、取っ付きにくいなあ」と思っている方は、ぜひ吉川英治の『新・水滸伝』から入ってみてはいかがでしょうか。
すーっと胸がすくような痛快活劇が楽しめますよ。
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